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| アメリカの独立記念日に思ったこと:「オイルフリーの生活? - バイオディーゼル燃料」 (Oil Free Life? - “Biodiesel”) *ベイエリア最新事情2005年7月13日* |
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Independence Day(独立記念日) 7月4日は、アメリカの独立記念日で、1776年7月4日に独立宣言に署名したアメリカは、今年で229歳となりました。日本の建国記念日(2月11日)*は、戦前は「紀元節」と言われ、『日本書紀』で初代天皇とされる神武天皇が即位した紀元前660年2月11日を、国の建国の日として定め、日本は今年2665歳となりました。この「独立記念日」と「建国記念日」という2つ言葉には、違った印象や響きを感じますが、紀元前660年に現在の天皇家が、在来の豪族を打ち倒し、自らの独立政権を、日本国内に樹立した年と考えれば、共通の意味を見いだすことも可能です。*余談ですが、私にとって2月11日の建国記念日は、2重の意味があります。日本すなわち私の母国の誕生日でもあり、実は私の母の誕生日でもあります。亡くなった父は正真正銘の1月1日(正月の元旦)生まれで、母は建国記念日と、私の両親はおめでたい日に生まれています。 福沢諭吉が初めて、日本人に伝えたアメリカ流の「Independent(独立)」の意味このアメリカ人が良く口にする「Independent(独立)」という英語を、初めて日本に紹介したのは、1860年幕末動乱期に幕府使節としてサンフランシスコを訪れた福沢諭吉です。彼は、道徳訓『日々の教え』の中で、この「Independent」という言葉を、「自分でできることは自分でするがよし、これを西洋のことばで、インジペンデントという。インジペンデントとは独立と申すことなり。独立とは他人の世話にならぬことなり」と説明しています。諭吉の言った「他人の世話にならぬこと= Self-Reliant(自立)」という価値観は、アメリカ社会を考える時に、非常に重要な意味を持ち、しばしばアメリカ人の行動基準となる価値観でもあります。 |
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全米ガソリン小売価格の推移(2003年4月時点1.63ドル→ 2005年7月時点2.33ドル)
この石油依存問題の代替方法の一つとして、最近改めて注目を集め始めているのが、「Biodiesel (バイオディーゼル)」です。1900年のパリのワールドフェアでRudolf Diesel(ルドルフ・ディーゼル)よって、最初に紹介されたディーゼルエンジンは、当初から石油ではなくピーナッツ・オイルによる燃料で設計されていました。1920年代に、石油会社の圧力で自動車製造会社がディーゼルエンジンの燃料を低価格の石油に切り替えるまでは、バスやトラック、船舶は、すべて植物燃料によって運行されていました。このバイオディーゼルの特徴は、言うまでもなく石油と違ってエコロジカル(精製時の空気汚染や排気ガスは石油より低い)であることと、さらに重要なことは、諸外国に輸入依存しないで、米国内で簡単に大量につくれる点です。SF Chronicle紙の7月10日付の記事によると、以下のような試算で、アメリカのすべての乗り物の燃料を、大豆によるバイオディーゼル燃料に、代替えできるとしています。
さらに費用面で考えると、年間の石油輸入に1,000億ドル以上のコストがかかっており、この金額はそのままカットされ、米国内の農業に新たなビジネス機会を創出することが可能となります。 バイオディーゼル燃料普及への呼びかけ ブッシュ大統領も、このバイオディーゼル燃料の活用に注目しており、5月16日には、ヴァージニア州のバイオディーゼルのプラントを訪れて、「バイオディーゼル燃料は、米国の約束されるべき、代替燃料資源の一つ」として非常に関心を持ったとも発言しています。実際に、バイオディーゼル燃料の一般への実施は、既存のガソリンステーションに、バイオディーゼルのタンクを設置するだけなので、現在莫大な研究費用をかけて開発されている代替燃料の水素燃料よりも、簡単に実行可能となります。また、バイオディーゼル燃料によるハイブリッド車も可能であり、技術的なことに疎いシロウトの私にとって、なぜこのシンプルな代替燃料が、今まで歴史の中に置き去りにされていたのか?と、大きな疑問が浮かびます。サンフランシスコ湾では、海水汚染防止のために、すでに通勤客の足であるフェリーは、大豆のバイオディーゼル燃料で運行されており、公共の場でのバイオディーゼル燃料使用は、徐々に増えてきています。 アメリカ人のメンタリティの変容は可能か? 現時点での大きな問題点は、個人に落とし込むと、価格と供給場所です。バイオディーゼル燃料の先進国であるドイツは、年間7億5,000万ガロン以上を生産しており、1,700の公共のバイオディーゼル燃料ポンプが設置され、石油燃料よりも価格面で安くなっています。しかし、アメリカの場合は、バイオディーゼル燃料の入手可能なサンフランシスコ・ベイエリアのバークレー市で、価格は3.70ドルと非常に高く、カリフォルニア州全体の供給場所も25ステーションにも満たないという状態です。西海岸と東海岸の都市部に住む一部の人たちを除いて、広大な土地に住む平均的なアメリカ人に、いくら「地球温暖化」や「環境問題」を重要問題として訴えても、彼らがそれを個人のリアリティとして、受け止めるのは非常に難しいと思います。しかし、彼らに「輸入依存の石油から自立することで、アラブ諸国から人質(石油)が解放され、彼らによるコントロールから脱却できる。それは、非常にシンプルな代替燃料で、その生産はすべて米国内でまかなえて、さらに米国内の農業に新たなビジネス機会を創出する」という言い方で、訴えたとしたら、彼らのマインドセットは変わってくると思います。 自立への道は、「アラブへの関心=石油」を捨てること 7月7日の英国の地下鉄・バスのテロ攻撃にみられるように、イスラム過激派のテロリスト集団と西欧諸国の対立関係は、今後も長期的に継続し、一般市民の生活不安は決して消えないというのが、現在の世界の実状です。このテロリストとの闘いを少しでも緩和する方法として、アメリカは「アラブへの関心=石油」を捨てることが肝要だと思います。政府も、以前より代替燃料開発および利用に対する真剣度は増してきており、石油依存脱却への道は徐々に開かれているのを実感します。あとは、個人がどこまで不便さやコストを我慢して、代替燃料へスイッチし、「自立」への道をいかに真剣に求めるかという点です。どうやら、ガソリン価格3ドルは、「アメリカ人の自立へのリトマス試験紙」になるような気がします。 |
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大柴ひさみ (Hisami Ohshiba) 1979年外資系広告代理店電通ヤングアンドルビカム(DY & R)に入社、外資系企業の広告マーケティングを16年間担当。1995年にカリフォルニアに移住し、米国大手広告代理店やダイレクトマーケティングの会社勤務などを経た後、1998年2月JaM Japan Marketing(http://www.jamjapan.com/jp/)を設立。2001年1月ビジネス拡大のために、JaM Japan MarketingをLLCとして組織変更する。海外市場進出を目指す日米企業を対象に、クロスカルチャーなナレッジをベースにマーケティング戦略の開発立案、市場調査分析、広告PR、ローカリゼーションを含むコンサルティング活動を提供。講演・執筆活動も多く手がけている。2003年2月初の書籍「ひさみの冒険」がひつじ書房より発行 (http://www.hisami.com)。ご意見・ご質問はhisami@jamjapan.comまで。 |
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