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| iPod世代の「Egocasting(エゴキャスティング)」とは? (iPod Phenomenon: What is Egocasting?) *ベイエリア最新事情2006年1月1日* |
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2005 年のブログ検索のキーワードNo1は「Podcasting(ポッドキャスティング)」クリスマス明けの米国では、オンラインショッピングの好調さが目につき、12月22日現在で、対前年比24%増の17億5,000万ドル(1,925億円)の売り上げが、11月から12月の2ヶ月間で記録され、今月末でホリディシーズンのオンラインショッピングは、19億ドル(2,090億円)に達すると予想されています(By ComScore Networks)。Amazon.comは11月1日から12月25日までで、1億800万個の製品を売り上げ、最も人気があったアイテムは、当然のように「iPod」です。また、Blogpulseによるブログ検索のランキングで、2005年のWikipediaで最も検索されたのは、「Podcasting(ポッドキャスティング)*」という結果が出ています。
米国のテクノロジー依存生活
アメリカ人のテクノロジー依存は日々高まっています。12月13日から15日に行われたAP通信の調査では、支出額からみると、以下のように、世帯の32%は月額200ドルを、23%は100〜199ドルを、デジタルエンタテイメントとコミュニケーションに使っています。 以下は米国世帯のハイテクデバイスの所有率と、「こうしたデバイスなしで、生活できるか?」という質問に対しての答えです。携帯電話は41%、高速インターネットは38%、PCは46%の世帯が、こうしたデバイスなしでの生活は想像できないと答えています。
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「コントロール」と「パーソナライズ」は、世代を超えたキーワードここで注目したい点は、TiVoやiPodという新しいデバイスの普及と注目度です。上記の調査でも、おのおのの世帯所有率は、24%あるいは25%と米国世帯の4分の1は所有しており、「これらのデバイスがなくても生活は可能だが、寂しい」という回答は、ともに35%にのぼっています。携帯電話、高速インターネット・PCは、むしろUtility(ガス・水道のような公益事業サービス)という位置づけになりますが、TiVoやiPodのように、ユーザ自らがコンテンツを「コントロール」して、「パーソナライズ」する機能をもつデバイスは、新たなライフスタイルや価値観の創出を促す結果となっています。この2つのキーワードは、よく米国のジェネレーション Y**を特徴つけるものとして、あげられるものですが、ここに来て実感するのは、これらは、すでに世代を超えて共通する要素として、米国社会を特徴づけるものになったという点です。来年最年長者グループが60歳に突入するベビーブーマーズも、今年最年長が40歳になったジェネレーション Xも、Gen Yと同様にTiVoやiPodに夢中になっており、テクノロジーと社会に注目するThe New Atlantis(ニューアトランティス)誌のシニア編集者のChristine Rosen(クリスティン・ローゼン)が指摘する、「Egocasting(エゴキャスティング)」が、米国では始まっています。 **米国のジェネレーション区分(諸説あり)
Egocasting(エゴキャスティング)の時代ローゼンは、TV出現の社会的なインパクトの指摘と同様に、デバイスのコントロールパワーを個人にシフトさせた「リモートコントロール」の役割を重視し、これによって、現在のiPodやTiVoのようなコンテンツ、タイミング、スタイルを、個人がすべてパーソナライズして自らの手でコントロールする世界が出現したと指摘しています。さらに、放送形式に例えて、時代は、一般向けの放送の「Broadcasting」や、特定の人向けの放送の「Narrowcasting」から、ついに「Egocasting」という極端に個人のテイストに特化した世界(いつ、どこで、何を観るか、聴くかは、すべて自分でコントロールする)に入ったと示唆しています。彼女は自分が同意しないあるいは好みでないコンテンツや音楽を常に避ける、こうしたパーソナライゼーションが行き過ぎると、自分の選択以外を受け付けない「文化的・社会的な不寛容さ」を生み出すという警告を発しています。 また、イギリスのUniversity of Sussex(サセックス大学)の講師Dr. Michael Bull(マイケル・ブル)は、Hotwiredのインタビューで、「iPodの主要な用途はコントロールにある。人々は自分の空間、時間、思考、他人との関わり方を、iPodによってコントロールしている」と、iPodの社会的影響を分析しています()。確かにiPodは、「時間をかける」あるいは「待つ」といった言葉を忘れて、「Instant Gratification(瞬間的な満足や報酬)」を、求める現代人の社会心理のつぼにはまった製品です。これが「iPod Phenomenon(iPod現象)」と呼ばれる、グローバルな文化的一大現象を生み出した大きな要因なのかもしれません。 時空を超えて巨大なファイルを持ち運べるモバイル性個人としてのiPodへの思いは、音楽ファイルを一ヵ所に保存して、時空を超えて持ち運べるモバイル性につきます。仕事上では、取材時には音声を記録したり、ハードディスクとして電子ファイルを保存したりできる、記録と保存機能を活用しています。もちろんスタイリングの良さや指でなでるだけという簡単なインターフェースは、アップルならではものですし、今が旬なCoolな製品であるという点も見逃せないベネフィットです。特にプライベートでは、引っ越したばかりで、手持ちのCDの整理が出来ないままガレージに放置している私の家では、音楽聴取はすべてiPodに依存して、自宅ではスピーカーにつないでステレオ代わりに使い、クルマでの移動やトラベルの時には必ず持参できるので、生活面でその汎用性は大助かりです。つい最近私のラップトップがクラッシュした時に、テックサポートの人に、思わずiPod用にセーブした音楽は大丈夫ですか?と真っ先に聞いたくらいです。これも、まだCDを持つことが習慣になっている古い世代ならではの問題で、ダウンロードやファイル交換で音楽を消費する人には思いもよらない話だと思います。 「Ego(エゴ)」が「Casting(放たれる)」時代ポッドキャスティングの位置づけを、オーディオのブログだと考えると、確かにiPodがもたらした世界は、ローゼンの言うところの「個人のテイスト」を極端に重視するエゴキャスティングなのかもしれません。CGM***の社会的な影響力が高まり、私を含めて、非常にDemandingな(要求の激しい)消費者の「Ego(エゴ)」が、「Casting(放たれている)」されている時代です。 ***CGM(Consumer Generated Media):消費者によって創出・循環・共有されるコンテンツやメディア。個人間のEmailやIM(Instant Message:インスタントメッセージ)に始まって、ディスカッションフォーラム、掲示板、ブログ、Moblog(モブログ:イメージのブログ)など、オンライン上のコンテンツやメディア 2006年のマーケティングの世界は、もっともっと大きく「個人(=消費者)」、1人1人にシフトしていき、情報の送り手となった個人は、自分の生きたい道を運転するドライバーとして、フリーウェイを突っ走っていきます。企業は、 ・ 「彼らはなぜそこへ行きたいのか?」 といった問いかけを、自ら行っていく覚悟が必要です。 |
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大柴ひさみ (Hisami Ohshiba) 1979年外資系広告代理店電通ヤングアンドルビカム(DY&R)に入社、外資系企業の広告マーケティングを16年間担当。1995年にカリフォルニアに移住し、米国大手広告代理店やダイレクトマーケティングの会社勤務などを経た後、1998年2月JaM Japan Marketingを設立。2001年1月ビジネス拡大のために、JaM Japan MarketingをLLCとして組織変更する。海外市場進出を目指す日米企業を対象にクロスカルチャーなナレッジをベースに、マーケティング戦略の開発立案、市場調査分析、広告PR、ローカリゼーションを含むコンサルティング活動を提供。講演・執筆活動も多く手がけている。 大柴ひさみの初の書籍「ひさみの冒険」がひつじ書房より発行されています、詳細はこちら(http://www.hisami.com)で。また、大柴ひさみの近況がわかるブログもゾクゾク更新されています。ご意見・ご質問歓迎します。 |
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