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米国のCEOの条件「身長6フィート2インチ(約188cm)」??
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シリコンバレーの地殻変動(大型M&Aの活発化) ここ2、3日のシリコンバレーは、Oracle(オラクル)が、現金58億5,000万ドル(6,380億円)で、Seibel(シーベル)を買収する話や、eBay(イーベイ)が、VoIP プロバイダーのSkype(スカイプ)を26億ドル(2,860億円)で買収する話など、札束が空中を飛び交っているような感じです。オラクルは、昨年同業のPeopleSoft(ピープルソフト)を、111億ドル(1兆2,210億円)で買収したばかりですし、イーベイは、徐々にかげりが見えてきたオンライン・オークション市場から、インターネット電話市場への転換という大きなギャンブルを仕掛けており、シリコンバレーの地殻変動は、相変わらず活発です。オラクルのCEOのLarry Ellison(ラリー・エリソン)と、ピープルソフトのCEOのCraig Conway(クレッグ・コンウェイ)による買収時の壮絶な戦いはまだ耳新しく、またかつて話題をふりまいたシーベルの創業者Tom Seibel(トム・シーベル)が持ち株をオラクルに売却するという話を聞くと、CEOの栄枯盛衰が目につきます。(円換算1ドル=110円)
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注)米国女性の平均身長:5フィート4インチ(162.56 cm) |
身長がCEOたちを選ぶ決め手となる? ほんの小さなことから爆発的な社会現象がおこる「流行性の臨界点」を解き明かしたベストセラー「Tipping Point(ティッピング・ポイント)」の著者で、ニューヨークタイムズの記者でもあるMalcolm Gladwell(マルコム・グラッドウェル)は、新刊「Blink」で、この米国大企業のCEOたちの身体的な特徴に関する興味深い事実を指摘しています。彼の調査によると、フォーチュン500企業の男性CEOたちと、平均的な米国男性の身長差は左の図のようになります。 グラッドウェルは、以前から言われているフォーチュン500企業における「ガラスの天井(女性への差別)」や「マイノリティ(人種)への差別」は、驚くにはあたらないが、この白人の男性CEOたちのほとんどが「背が高い」という事実は、思いもよらなかったと告白しています。彼は、人々が無意識に持つ、「背の高い男性はリーダーシップがある」という根拠のないステレオタイプな考えが、いかに米国ビジネス社会に大きな影響力を与えているかを指摘し、大企業内における「背の低い白人男性」は、女性やマイノリティと同様に大きなハンディキャップがあると示唆しています。 |
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これはフォーチュン500企業のような大企業に限らず、多くの米国企業内で見られる事実で、2003年に実施されたフロリダ大学の教授Timothy Judge(ティモシー・ジャッジ)とノースキャロライナ大学の教授Daniel Cable(ダニエル・ケーブル)による調査では、1インチの身長差は、年間サラリーに置き換えると789ドル(8万6,790円)の違いを生み出し、6フィート(約183cm)の男性と5フィート5インチ(約165cm)の男性を、生涯賃金レベルで比較すると、年間5,525ドル(60万7,750円)の賃金格差が生まれると指摘しています。これは上記CEOたちの身長と同様に驚くべき相違で、ここまで身長差が財政面に影響を与えるとなると、多くの女性たちが「背の高い男性」を好む理由は、単に見た目だけの優先順位ではなく、無意識のうちに「背の高さと財政的面のアドバンテージが比例している」ことに、気づいて選択している、そんな直感がひらめきました。 白人女性の場合は、体重がキャリアに影響する このルックスにおける無意識下のバイアスは、白人女性の場合には、身長ではなく体重に現れます。Susan Averett(スーザン・エヴァレット)とSanders Korenman(サンダース・コレンマン)による、1981年の16〜24歳の女性と1988年の23〜31歳を対象とした調査では、Body Mass Index (BMI) の標準体重を超えた女性たちは、標準体重の女性たちより、17%低いサラリーであったと指摘しています。
ただ、最近ではこの体重に関する偏見は、上記の白人CEO男性の身長の件とは異なり、人々の意識上にのぼり始めており、身体的な特徴によって差別されるのは、人権保護の見地から見て公平ではないという意見が多く出てきているため、徐々に改善されてきています(ちなみに、カリフォルニア州では、1992年のSanta Cruzに続いて、サンフランシスコも2000年に「Fat and Short」という身体的な条件で差別を行ってはいけないという法律が成立しました)。 BMI:20歳以上の成人の身長に適した体重の指標。以下は計算式と目安:
アメリカ社会における人々の「容貌(ルックス)に対する無意識下のバイアス」は、個人の性格や一生を左右するほどの影響力を持ちます。特にSelf Confidence(自分自身への自信)やSelf Expression(自己表現)などの価値観を重視する米国カルチャーにおいて、身体的なコンプレックスは、個人の精神生活に大きなインパクトを与えます。こうしたカルチャーを裏付けるかのように、人気TV番組「Extreme Makeover」に代表される「変身物語」は、かなりの高視聴率をあげています。実際に参加者は、自分自身に自信をもてない人が多く、過激な美容整形(歯の矯正やホワイトニング、視力矯正、脂肪吸引手術、豊胸のためのインプラント埋め込みなど)と、過酷なダイエットとエクササイズなどで、ボディを2〜3ヶ月かけて徹底改善し、最後はハリウッドのヘアドレッサーやスタイリストによる仕上げで、リムジンに乗って、家族の元に帰ります。ここでのポイントは、参加者の容貌がいかに変わったかではなく、「自信のない人間が、過酷な手術やダイエット・エクササイズに耐えて、肉体だけでなく精神的に強くなって、自信を取り戻して、家族と再会する」という参加者の「精神的な成長=心の旅路」がポイントです(この手の手法には乗らないと思っていた私も、この参加者の精神的な変化に、思わずもらい泣きをしたことがあるほど、この番組はパワーフルです)。 「心・技・体」を要求される6フィート2インチのCEOたち 前述したCEOたちは、こうした一般の人とは異なり、米国ビジネス社会を代表するスーパースターで、文字通り「企業の顔」として、企業を代表する重要な役目を担っています。大相撲の横綱の条件ではありませんが、「心・技・体(強靱な意志・ビジネスマンとしての技量・企業を代表できるルックス)」が揃っていないと、フォーチュン500企業の「顔」として役割は務まりません。多分、このあたりの暗黙のコンセスが要因となって、彼らの身長が6フィート2インチ以上となってくるのだと思います。日本でも「押し出しの良さ」という表現で、経営者の容貌を評価する言い方がありますが、私がこれまでに会った米国の背の高い男性経営者たちは、確かに堂々としていて、「Presence(存在感)」を感じさせます。これは背の高い人たちの肉体的なアドバンテージで、黙っていても周囲を圧倒するムードを演出することが可能です。これに対して、背の低い男性はそのハンディキャップを跳ね返すがごとく、情熱的な熱弁をふるうタイプが多いような気がします。最終的には、その人のビジネスにおける技量がその経営者の価値を決めますが、「プレゼンテーション・ソサイエティ」の米国では、ルックスは、ビジネスのFirst Impression(第一印象)において有利なような気がします。 背の低いCEOの場合 ちなみに、実際の身長は不明ですが、背が低い代表的なCEOとして、すぐに思い出すのは、General Electric(GE)の元CEOのJack Welch(ジャック・ウェルチ)です。彼は「Neutron Jack(中性子爆弾ジャック:建物を破壊せずにそのまま残し、人間だけを抹殺するという意味)」と呼ばれ、凄まじい人員解雇と組織の再構築を行って、GEを史上最強のコングロマリット企業に仕立て上げました。彼は、また最年少(45歳)でGEのCEOになり、最盛期は年間サラリー9,400万ドル(10億3,400万円)を稼ぎだし、CEOとして20年間君臨しています。こういう例を見ると、本当に成功する企業の横綱(CEO)は、まず「心・技」が先で、「体」は後からついてくる、これが真実のような気がします。 PS: 現在のGEのCEO、Jeff Immelt(ジェフ・イメルト)は、ウェルチの後継者ですが、前CEOの身長の不足分を埋めるかのような長身の人で、6フィート4インチ(193.04cm)もあります。
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大柴ひさみ (Hisami Ohshiba) 1979年外資系広告代理店電通ヤングアンドルビカム(DY&R)に入社、外資系企業の広告マーケティングを16年間担当。1995年にカリフォルニアに移住し、米国大手広告代理店やダイレクトマーケティングの会社勤務などを経た後、1998年2月JaM Japan Marketingを設立。2001年1月ビジネス拡大のために、JaM Japan MarketingをLLCとして組織変更する。海外市場進出を目指す日米企業を対象にクロスカルチャーなナレッジをベースに、マーケティング戦略の開発立案、市場調査分析、広告PR、ローカリゼーションを含むコンサルティング活動を提供。講演・執筆活動も多く手がけている。 大柴ひさみの初の書籍「ひさみの冒険」がひつじ書房より発行されています、詳細はこちらで。また、大柴ひさみの近況がわかるブログもゾクゾク更新されています。ご意見・ご質問歓迎します。 |
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